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ボクシング | WBSS決勝 | 井上尚弥 VS ノニト・ドネア | 試合結果 試合動画

ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS) | 井上尚弥 VS ノニト・ドネア

<プロボクシング:ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級決勝、WBC世界バンタム級王座統一戦>◇7日◇さいたまスーパーアリーナ

3階級王者のWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)がWBSS優勝を懸け、5階級王者のWBAスーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)と対戦。尚弥の弟でWBC世界バンタム級暫定王者の井上拓真(23=大橋)は、同級正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(33=フランス)に0-3の判定で敗れた。

 

◆ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ・バンタム級決勝12回戦

井上尚弥 3 12回判定 0 ドネア

【11回】 前に出る井上尚に、一歩も引かないドネア。残り1分過ぎ、井上尚が放った右アッパーからの左フックがドネアのボディーを芯でとらえる。顔をしかめ後ずさりしたドネアがたまらずダウン。クリンチで逃れるドネアを、大歓声を背にした井上尚が攻め立てるが、ドネアは倒れない

【10回】 両者ジャブを繰り出すが一進一退の攻防が続く

【9回】 やや動きが鈍った井上尚に対し、圧力を強めるドネア。左ジャブが井上尚のあご付近をとらえ、さらに連打をもらった井上尚の動きが止まる。井上尚のクリンチを振りほどき、ドネアが連打

【8回】 ドネアが手数が増す。ドネアの連打をかわしボディーに左フックを放った井上尚に対し、ドネアの右ストレートがヒット。井上尚の動きが止まる。攻勢を強めるドネアの連打で井上尚の出血が再び増す

【7回】 互いの攻防が続くが決定打はなし。中盤過ぎ、手数を強めた井上尚にドネアも応酬。井上尚がカウンターから左フックをヒットさせる

【6回】 やや動きが鈍ったドネア。左ジャブから右を放ちドネアに迫る井上尚。終盤、ドネアの左フックを交わし、井上尚の左フックがヒットする

【5回】 中盤過ぎ、井上尚の左ジャブが伸び、ドネアにヒットし始める。残り30秒、井上尚が振り下ろし気味に放った右ストレートがヒットし、ドネアの腰が落ちる。井上尚が左右の連打でドネアをコーナーに追い詰め、懸命にかわすドネアにさらに右ストレートをヒットさせる

【4回】 互いにジャブでかいくぐり、連打につなげようとするが当てさせない。終盤ドネアが左の連打から右ストレートがヒット

【3回】 出血した井上尚に対し圧力を強め、攻勢に出るドネア。左右にかわしジャブを繰り出す井上尚だが、ドネアのプレッシャーも止まらない

【2回】 2分過ぎ、井上尚をロープ際に追い込んだドネアの左フックが井上尚の顔面をとらえる。井上尚が右目上から出血

【1回】 互いにジャブで距離を探る両者の立ち上がり。中盤過ぎ、互いの左フックが相打ちとなり顔面をとらえると、観衆が大きくどよめく

井上尚弥「ずっと二重に見えている状態」

「試合前から言っていた世代交代……、できたのかなとは思いますが、期待通りの試合はきっとできてはいなかった。これがボクシングということで、甘い世界じゃない。今日の試合を通してわかりましたし、今日の経験を生かして次戦から精進して頑張っていきたい。またドネア選手と、WBSS決勝を戦えたことはキャリアで1番の経験だと思っています。こういう結果が出せて自分自身良かったと思う」

――右目の状態は?

「2ラウンド目、左フックをもらって、そこから12ラウンドまでずっと二重に見えている状態が続いていた。骨には異常はありません」

――7、8、9ラウンドは抑えて10ラウンドから再び仕掛けたように見えた。どういう違いがあったのか。

「自分の中で、セコンドの中で、そこまでのラウンドでポイントは取っているだろうという計算があった。7、8回は捨てるラウンドにして、そのあとのラウンドでしっかり(ポイントを)とろうと。右目は全然見えてなかった。血で見えなかった。右ストレートも打てなかった。作戦を切り替えたのがそのくらい(のラウンド)ですね」

拓真の敵討ちも宣言「ウーバーリと統一戦をやりたい!」

リング上のインタビュー。井上はキャリア最大の勝利かと問われると「そうですね。ドネア選手、めちゃくちゃ強かったです」と言ったが「その前にみなさん、平日木曜日にさいたまスーパーアリーナに集まってくれて本当にありがとうございました」と律儀に感謝した。

カットした経験は初めてだったといい、井上は「正直、2ラウンドからドネアが2人に見えました。その中で最終ラウンドまでいったことを最大のキャリアとして誇り、また来年から精進したい」と胸を張った。

一方でドネアについては「負けられないというドネアの強さ、気持ちの強さ感じた。世代交代という言葉を使ってきたけど、まだまだこれでは世代交代とは言えない。もっともっと強い井上尚弥の姿を見せたい」と敬意を示した。

締めくくりには「皆さんの期待するようなファイト、正直できなかった。これがボクシングです。そして今の実力です。また応援よろしくお願いします」と呼びかけた。

「また、どんな景色が見えるかわからないけど、頑張りたい。正直、バンタム級のWBC、ウーバーリ(に敗れた)、拓真の仇を取りたいと思います! できるならウーバーリと統一戦をやりたいと思います!」と試合前の王座統一戦で敗れた弟の敵討ちを宣言した。

大橋会長「パンチが効いたシーンは初めて見た」

「今回調子が良すぎて、気を引き締めなければという感じでやってきた。苦しい試合展開になりましたし、パンチが効いたシーンもあった。尚弥と知り合って初めて見たシーンだった。そこからダウンをとって、素晴らしい試合内容だったと思います。尚弥のタフネスは心配していたと思うが、問題ないと証明できた。とてつもなく大きな価値のある試合だった。11ラウンドのドネアのダウンは、10カウントだったのでは……。僕が数えたら20秒くらい。でも良かった。12ラウンドも倒しに行ったし、尚弥が大きく成長できた12ラウンドでした」

真吾トレーナー

「今日は本当にひやひやした。いい意味で初心に戻れる。尚弥本人もわかっていると思うが、前半が想定内で余裕が出た。3回に左をもらって、ぐだぐだになった。そこから計算しながら、判定、ポイントも計算しながら。凄いなと思った。初心に帰って気持ちを引き締めて色々な挑戦をしていきたいと思います」

ドネア「井上は真のチャンピオン」

敗れたドネアはダメージを考慮して念のために病院へ向かったため、取材対応はせず。関係者を通じてコメントした。「井上はこの試合で真のチャンピオンであることを証明した。自分が戦った相手であれだけパンチを耐えられた選手はいなかった。おめでとうと言いたい」と紳士的に勝者を祝福した。

マクドネル「最初の一発で衝撃を受けた」

「今となっては言える。彼のパワーはまさに本物だった」と恐怖のモンスター体験を告白。

「マネージャーでトレーナーのデイブが言ったんだ。下の階級から上がってくる日本の男がいる。その男との戦いのために日本に行くことになる、と。ファイトマネーはいい。全て順調に見える、と。その男の名前はイノウエだと言っていた。自分はほとんどボクシングを見ないので、自分にとってはその名前は何の意味もなかった。日本に行ってタイトルを防衛するだけだった」

『彼は優秀なんだよ』というようなことを話していたと思う。彼の試合を見ると、彼のパワーについては否定できなかった。でも、自分の優位性にフォーカスすることにした。彼はこの階級に上がってくる。自分のエンジン、サイズ、経験があれば、終盤に失速させることができると信じていた。難しい夜になるとはわかっていたが、彼のパワーを抑えられる自信があったんだ」

海外メディア「世界最高の戦い」

激しい攻防戦を制し、レジェンドファイターを打ち破った井上には、海外メディアからも賛辞が集まっている。

英紙『Independent』は、この試合について、「ドネアはこの試合だけで評価できるわけじゃないが、ナオヤ・イノウエは信じられないほどのファイターだった。この決勝は別次元の試合だった」とレポート。さらに英紙『The Sun』も「二人の男による信じられないファイトだった。最終ラウンドまで戦い続けた両者の戦いは、世界最高の戦いだった」と絶賛した。

“世界最強”の称号を手にした井上。そのパフォーマンスに対する賛辞は今のところ収まる気配がない。

ネリ「殺されてしまうよ」

ネリはイノウエに殺されてしまうだろう」

「“パンテラ”ネリはイノウエに殺されてしまうだろう。イノウエは見ていて最高なんだ」

メキシコをルーツとするガルシア家だが、ピタ氏はパンテラ(豹)の異名を持つメキシコ人ファイターよりモンスターを評価。井上の圧勝を予想している。

「彼は世界チャンピオンをノックアウトし続けているんだ。ネリは殺されてしまうよ。1ラウンドか2ラウンドで、ね」とピタ氏は断言。バンタム級の3試合で世界王者を合計441秒で倒している井上の秒殺劇になると予想していた。

「ネリも王者を倒した。殺されない」と語る父親に、「いやいや。楽勝。余裕だよ。イノウエはやばすぎる怪物だ」と反論したピタ氏はネリの過去を持ち出した。

「(ネリが)ドーピングしようが、しまいが、ね。パパ、彼はすでにステロイドを使っているんだよ」

「イノウエはヤバすぎる日本のゴジラだから、(ネリのことは)全く気にしないだろうね」

井上尚弥「トップランク」と複数年契約発表

ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)のバンタム決勝が7日、さいたまスーパーアリーナで行われ、WBA・IBF王者の井上尚弥(大橋)がWBAスーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)に判定勝ち。「世代交代」を宣言したバンタム級頂上決戦を制し、WBSS優勝を果たした。WBA正規王座の3度目の防衛とともにスーパー王者に昇格。IBF王座は初防衛となり、日本人初の2つのベルトの同時防衛に成功した。試合後には米興行大手のトップランク社との契約を電撃発表した。

井上が海外進出に本腰を入れることとなった。試合後の会見に出席したトップランク社のデュボフ社長は「なかなか日本にくることはありません、ここできたということは、どういうことか皆さんおわかりでしょう。今回、複数年契約を合意したことをお知らせします」と明言した。

さらに「ずっと試合も見ていた。とても素晴らしい選手。米国で新しい機会に恵まれることになるでしょう」と井上への賛辞を贈った。またこの後の2試合は米国開催になることも明かした。

これを受けて井上は「トップランク社と契約出来て嬉しく思っています。この契約が自身のキャリアでどういうことか、覚悟しながら来年から厳しい戦いが待っている。一つ一つクリアするために、練習を精進してやっていきたい」と意気込みを口にした。

◆WBC世界バンタム級王座統一戦12回戦 | 井上拓真 VS ウバーリ

井上拓真 0 12回判定 3 ウバーリ

【12回】 中盤過ぎ、ウバーリのパンチをもらいながら井上拓が前に出る。時に足を止め危険覚悟で連打を繰り出す井上拓。右フックを食らったウバーリが大きく体勢を崩す場面もあったが、倒すまでには至らなかった。0ー3の判定で井上拓が敗れ王座陥落

【11回】 互いに決定打はなし。セコンドの父真吾トレーナーからは「行かないと!ラストだよ!」の声が響く

【10回】 劣勢の井上拓に対し、手数を増すウバーリ。ウバーリの攻撃を見切る井上拓だが、積極的に打って出ることができない

【9回】 井上拓がカウンター気味に放つ左ボディーがウバーリの脇腹にヒット。ウバーリが何度か顔をゆがめるが連打にはつながらない

【8回】 再び手数が増えたウバーリだが、井上拓も冷静に対処しカウンターを狙う。膠着(こうちゃく)状態が続く。8回を終えてのジャッジは3-0でウバーリ

【7回】 手数が落ちたウバーリ。井上拓もフェイントを交え前に出る

【6回】 ウバーリの圧力にひるまず井上拓がカウンターを狙い続ける。互いに決定打はなし

【5回】 1分過ぎ、ウバーリが井上拓がコーナーに追い込む。受けてかわす展開が続く井上拓だが、終盤に右カウンターがヒット。ペースを渡さない

【4回】 積極的に前に出るウバーリが井上拓を2度3度とロープ際に追い込む。2分過ぎ、ウバーリの強烈な右ストレートを食らった井上拓がダウンを喫し尻もちをつく。たたみかけるウバーリのラッシュを井上拓が必死のクリンチで耐える。4回を終えてのジャッジは3-0でウバーリ

【3回】 中盤過ぎにウバーリの右アッパーが井上拓の顔面をとらえる

【2回】 中盤、前に出たウバーリの左をかわした井上拓の右ボディーがヒット。ウバーリがぐらつきレフェリーが試合を止めるが、スリップの判定

【1回】 互いにパンチが当たる中間距離で打ち合う。再三、前に踏み込み左を放つウバーリを井上拓が見切る

井上尚弥が階級最強王者の称号を手にする。

<プロボクシング:ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級決勝>◇7日◇さいたまスーパーアリーナ

3階級王者のWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が真の階級最強王者の称号を手にした。ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝で5階級王者のWBAスーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)と対戦。3-0の判定で勝利を飾った。

史上4人目となる階級最強を証明するアリ・トロフィーをリングで掲げた。「ザ・グレーテスト」の愛称で知られる元世界ヘビー級王者ムハマド・アリの名を冠した優勝副賞を手にし、歓喜に浸った。WBA王座3度目、IBF王座初防衛にも成功。過去に井岡一翔、高山勝成、田口良一が2つの王座を同時保持したが、井岡と高山はすぐに返上。田口が日本人で初めて2つの王座を懸けて防衛戦に臨んだが、王座陥落していたため、日本人初となる複数王座の防衛にも成功した。

5年前となる14年11月24日、尚弥は父真吾トレーナー、弟拓真とともに大橋ジムでドネアと対面した。当時のドネアはWBA世界フェザー級スーパー王座から陥落し、スーパーバンタム級にカムバック。井上尚は2階級制覇を狙い、WBO世界スーパーフライ級王者オマール・ナルバエス(アルゼンチン)に挑戦する前だった。その際、過去にナルバエスに判定勝ちしていたドネアから助言を受けた。

この頃は2階級も違うウエートで戦っていたこともあり、尚弥は「体が大きいと思った」と当時の印象を振り返りつつ「階級も違うし、対戦するとは思っていなかった」。この5年間。尚弥はスーパーフライ級でWBO王座を7度防衛、バンタム級に転級し、WBA王座を獲得。一方のドネアはWBO世界スーパーバンタム級王座を獲得し、18年4月までフェザー級を主戦場としていたが、WBSS参戦に合わせて7年ぶりにバンタム級へと電撃復帰。ついに2人の時間軸が交わった。大橋ジムの大橋秀行会長は「2人は戦う運命にあった」と表現した。

昨年7月、WBSSバンタム級トーナメント8選手が出そろった際、尚弥が真っ先に挙げた対戦相手はドネアだった。記憶に残る名勝負もドネアのベストバウトとなる11年2月19日、米ラスベガスで開催されたWBC・WBO世界バンタム級王座統一戦。挑戦者ドネアが、長谷川穂積との王座統一戦を制したばかりの王者フェルナンド・モンティエル(メキシコ)を左フック1発で2回TKO勝ちを収めた試合を挙げた。

「研究ではなく、ドネアの技術を自分に取り入れるために見ていた」と井上尚。ドネアは「この階級の最強の1人で恐るべき存在。数年前に会い、それ以降、彼の成長を見てきた。このように怪物に成長した井上選手と戦えることを楽しみにしている」と。戦う運命にあり、宿命だったと言っていい。

5月18日のWBSS準決勝でエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)を2回TKO撃破した後、本格的なスパーリングを開始したのは8月6日。約3カ月も実戦トレから離れたのは故障以外では初めてで、蓄積した肉体的なダメージを回復させた。9月には米老舗誌ザ・リング選定パウンド・フォー・パウンド(階級超越の王者)1位で世界最速3階級制覇王者のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の練習パートナー、ジャフェスリー・ラミドと計20ラウンドのスパーリングを消化。1度、左ボディーでダウンを奪った。ロマチェンコも計130ラウンドで1度ダウンを奪っているものの、大橋会長は「ロマチェンコを超えた」と絶賛する内容だった。

試合前、井上尚は「最大のキャリアになるのは間違いない。そして、その先にある道、景色に自分がすごく興味を持っている。最大のパフォーマンスを出し切って優勝し、アリトロフィーを無事にゲットしたい」とリングに向かった。WBSS制覇は、過去の日本人世界王者が誰も到達しなかった領域へ、井上尚が足を踏み入れた瞬間だった。

井上尚弥「最高の試合をするだけ」

ボクシングWBA、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が、万全の仕上がりで前日計量を1発クリアした。7日にさいたまスーパーアリーナでのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)決勝で、5階級制覇のWBA世界同級スーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)と激突する。

6日は都内で前日計量に臨み、井上はリミットピタリの53・5キロパスした。先にはかりに乗ったドネアは200グラム軽い53・3キロだった。

計量後にはフェースオフで数十秒にらみ合った。井上は「お互い計量もすんで、最高の試合をするだけ。最高の気持ち」と決戦が待ち遠しい。ブックメーカーのオッズは井上優勢。「毎試合そんなオッズ。ボクシングはいつ、どこで何が起こるか分からない。オッズは頭から外して戦う」とおごりはない。アリ・トロフィーを横目に「勝てば満足するだけでなく、今後の大きな試合の第1歩になる。しっかり勝ちたい」と誓った。

ドネアも仕上がりの良さを示した。「大好きな日本で試合ができて、一層ワクワクする。あしたの試合はスペシャル」と明るく話した。劣勢の評価にも「人がどのような評価をするかは関係ない。アリ・トロフィーを取れば、最強の中の最強になる。ベスト・オブ・ベストの試合をする」と力強く話した。

セミファイナルのWBC世界バンタム級王座統一戦の計量も、両者ともに一発でパスした。暫定王者井上拓真(23=大橋)は兄と同じくリミットの53・5キロ、正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(33=フランス)は53・3キロとの王座統一戦に臨む。

井上尚弥スピード追求

ボクシングWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)がスピード重視の特注トランクスで大一番に臨む。

今日7日、さいたまスーパーアリーナで5階級制覇王者のWBA同級スーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)とのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝を控えた6日、都内で前日計量に臨んで1発パス。2カ月以上かけて完成させた「勝負服」で階級最強を証明する。

WBC世界同級王座統一戦に臨む暫定王者井上拓真、正規王者ノルディーヌ・ウバーリも1発で計量クリアした。

心身ともに最高潮に達したモンスターがドネアと視線を合わせた。約20秒間。視線をそらさずにフェースオフを終えた。「計量も無事、お互いに済んで、いよいよお互い最高の試合をするだけ。今、最高の気持ちでいっぱい」。体調を心配する大橋会長の意向でWBSS公式インタビューの取材以外は受けずに帰宅した井上尚の表情には、自信の笑みが浮かんでいた。

勝敗ポイントに「スピードを意識して上回る」と分析していた井上尚は、ひそかにドネア戦仕様トランクスの製作を進めてきた。5月のWBSS準決勝からトランクスの特注を開始。今回は生地だけで20種類以上から選び、8月から担当者と話し合いながら自身の意見を伝えてきた。スピードを最大限に生かすため、着用時の動きやすさを重視したラインを追求してきた。2カ月半ほど費やし、輝くグレーをベースにブラックのラインが入った決戦トランクスが完成した。

海外ブックメーカーの英ウィリアムヒル社ではドネア勝利の5・5倍に対し、井上尚勝利が1・14倍を推移した。オッズ有利の質問を受けた井上尚は「それほど差はないと。ボクシングはいつ、どこで、何が起こるか分からない。オッズは頭から外して明日は戦います」と警戒心を緩めない。

5階級制覇、2階級で2団体統一王者と軽量級のレジェンドとして君臨してきたドネアと拳を交える。「すごく満足する試合になる。今後の大きな試合に向けての第1歩」。納得の準備を整え、井上尚が日本ボクシング界に大きな歴史を刻む時が来た。

井上尚弥「見たい景色は山ほど」

ボクシングWBA、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が、ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)制覇へ自信を見せた。

5階級制覇のWBA世界同級スーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)と、7日にさいたまスーパーアリーナでの決勝で激突する。5日は都内で記者会見が行われた。

井上は決戦を2日後に控えて「1年でよくここまできた。体調もすごくいい。ドネアと一番望んでいた形で楽しみ。最大のパフォーマンスを見せたい」と意欲を示した。

目の前には優勝者に贈られるアリ・トロフィーが置かれていた。「すばらしいデザイン。プロ転向前から見て、あこがれの1人と戦える誇りを持って、世代交代を成し遂げる」と勝利を確信する。決勝という舞台に「日本代表を背負い、日本人でここまで上れないと思う。突破口となり、まだ見たい景色は山ほどある」と、決戦をステップにさらなる飛躍を期す。

ドネアは落ち着いた表情で「決勝までこれた誇りで、対戦できてうれしい。井上には特別な気持ちが芽生え、大きなモチベーションになった」と、大ベテランは話した。

試合に向けては「ともにスキル、パワーがあり予想がつかない。最高の状態で入っていくだけ。アウェーでもリングの中は私のホーム。世代交代に立ちはだかりたい」と、こちらも優勝への自信を口にした。

井上尚弥「日本を代表し、背負う」

ボクシングWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が「伝説」への1歩を踏みだす。

7日にさいたまスーパーアリーナで控える5階級制覇王者のWBA同級スーパー王者ノニト・ドネア(36)とのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝に向け、5日に都内で会見。元世界ヘビー級王者ムハマド・アリの名を冠したアリ・トロフィー獲得への気持ちを高ぶらせた。WBC世界同級王座統一戦に臨む暫定王者井上拓真も正規王者ノルディーヌ・ウバーリと会見に臨んだ。

会見中、何度も黄金のトロフィーをみつめた。アリ・トロフィーを挟み、井上尚はドネアとにらみ合った。初めて“対面”した階級最強を証明する優勝副賞はサッカーW杯トロフィーも手掛けたイタリアの彫刻家シルビア・ガザニガ氏のデザイン。井上尚は「目の前にしたのは初めて。デザイン的にも素晴らしいです」と感慨深くみつめた。

アリ家公認のWBSS優勝副賞で、昨年は娘ラシエダさんがプレゼンターを務めた。アリについて井上尚は「ちょっと世代も世代なので、そこまで詳しくないのですが」と苦笑い。代わりに井上尚の師匠で元WBA・WBC世界ミニマム級王者大橋秀行会長(54)は「アリはボクシング界を超越し、世界のスポーツ界全体に影響を与えた選手。日本で尚弥はそうなりつつある。いずれアリのようにスポーツ界全体に影響を与える存在になってほしい」と託した。

井上尚の応援のため、ラグビーW杯日本代表のWTB松島幸太朗とともにCTB中村亮土の来場も決定。日の丸戦士たちのバックアップに井上尚は燃える。「日本を代表し、背負うつもりです。自分が勝たなければ誰もここまで上ることはできないだろうと思っている。自分が突破口として優勝したい」。

WBSSプロモーターのカレ・ザワーランド氏は優勝賞金について「7桁になる」と100万ドル(約1億1000万円)近くになると説明。アリ伝説を追うように、モンスターがドネア撃破で1つの歴史を刻むつもりだ。

井上尚弥「自分が突破口として」

ボクシング3階級制覇王者のWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が「日の丸戦士」の思いを胸に階級最強を証明する覚悟を示した。

11月7日、さいたまスーパーアリーナで5階級制覇王者のWBAスーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)とのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝に備え、5日には都内で公式会見に臨んだ。

昨年10月から開幕したバンタム級WBSSには、空位だったWBCを除き、WBA、WBO、IBF3団体の王者が出場していた。最強を決めるトーナメントの名にふさわしい状況の中で決勝まで進出。決勝の相手はレジェンドのドネアとなった。

井上尚は「ボクシング界はメジャー4団体ありますが、各団体の王者が出る魅了的なトーナメントに自分が出られている」と再認識。その上で「日本を代表し、背負うつもりです。自分が勝たなければ、絶対にここまで登ることはできないだろうと思っている。自分が突破口として優勝したい」との意識を高めた。

既に米プロモート大手トップランク社からの契約オファーが届いている。優勝すれば、海外進出が本格化する可能性も高い。井上尚は「この先、自分が見てみたい景色があるので頑張るだけです。最大のパフォーマンスを発揮できると思っている。準々決勝、準決勝と最高の形の試合ができているので、それに変わらぬパフォーマンスをみせたいと思っています」と強い決意を表明していた。

プロモーター絶賛 | 井上尚弥は「最も世界震撼させた」

階級最強を決めるトーナメント、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)を運営するプロモーターのカレ・ザワーランド氏が、バンタム級決勝に進んだWBA・IBF世界同級王者井上尚弥(26=大橋)を絶賛し続けた。7日、さいたまスーパーアリーナで開催されるWBSS決勝の公式会見に井上尚、対戦相手の5階級制覇王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)とともに出席。「もちろんベストが勝つ」と勝敗予想した上で、井上尚への大きな期待感を示した。

「若き井上尚弥は、この2年で一番世界を震撼(しんかん)させたボクサーではないかと思っている。試合の短さも話題に上がっている。対戦してきた相手が強豪で勝っている」と実績を強調。階級を超越した王者ランキングとなるパウンド・フォー・パウンド(PFP)について「私は(4階級制覇王者)カネロ(アルバレス)や(世界最速3階級制覇王者)ロマチェンコと並ぶPFPだと思っています」と力説。老舗ボクシング誌「ザ・リング」のPFPランキングで1位のワシル・ロマチェンコ、3位のサウル・アルバレスらに現在4位の井上尚も並んでいると強調していた。

井上拓真が王座統一失敗

WBC世界バンタム級暫定王者井上拓真(23=大橋)が正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(33=フランス)に0-3の判定で敗れ、陥落した。過去日本人暫定王者の王座統一戦は3戦3敗。ジンクスを破れず、メインイベントの兄尚弥に勝利のバトンをつなげなかった。

パワーもうまさも、スタミナもある。そして、苦手なサウスポー。井上拓にとってウバーリは「分が悪い」と本音を漏らすほど過去最強の相手だった。実戦は昨年12月30日以来約11カ月。リーチ差は7センチ。さらに辰吉丈一郎ら過去に暫定王者で統一戦に挑んだ日本人は3人とも失敗。プロ16戦無敗12KOの強敵に夢は阻まれた。

長いブランク期間でサウスポー対策を十分に練ってきた。前回の試合後すぐに左対策を開始。さらに試合が決まってからは、3団体統一ライト級王者ワシル・ロマチェンコの練習パートナーでもある米国アマ選手ラミドやIBF世界同級王者ダスマリナスら、世界トップクラスのサウスポー日本に呼び寄せ、スパーリングを敢行。父真吾トレーナーが「最低でも五分以上(に戦える)」と認めるまで成長し、リングに立った。

兄尚弥とともに戦うのは10度目。昨年12月30日に亀田3兄弟以来日本人2組目の兄弟世界王者を達成し、ダブル世界戦という夢も今回かなった。兄と比べられるのは「小さい頃からずっと。宿命」。そんな境遇に嫌気がさすこともあったが、「ナオがいたからこそ今の自分がいる」と自分を引き上げてくれる存在に感謝する。勝って暫定王者が取れて初めて「スタートだと思っている」。兄に王者として並ぶことはかなわなかった。

井上尚弥「不安材料ない」

ボクシング3階級制覇王者のWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が“自己最速”とも言えるスピードで減量を完了させた。11月7日にさいたまスーパーアリーナで5階級制覇王者のWBAスーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)とのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝に備え、4日には一緒に都内で予備検診に臨んだ。ドクターチェックでは両者ともに異常はなかった。

決戦4日前となる3日に練習を打ち上げた井上尚は「体重も仕上がっている」と自信の笑みを浮かべた。大橋秀行会長(54)によると、既に体重も練習終わりでリミット(53・5キロ)に到達しており「いつでも試合できる状態ですよ」と太鼓判を押した。

予備検診での測定では、身長がドネアの170・2センチに対し、井上尚は164・5センチ、リーチはドネアの174・0センチに対し、井上尚は171・0センチと、いずれも下回った。体格差はあるものの、井上尚は「考えて戦うだけ。もうやることはやったので不安材料は1つもない。当日にやりたいことをすべてぶつけるだけ」と静かに闘志を燃やしていた。

ドネア 井上陣営が準備した日本製グローブ使用

ボクシングWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が「伝説」への1歩を踏みだす。 7日にさいたまスーパーアリーナで控える5階級制覇王者のWBA同級スーパー王者ノニト・ドネア(36)とのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝に向け、6日に都内で会見を行った。

ドネアが急きょ日本製グローブを使用することになった。同陣営が持ち込んだ米国製グローブ2種の感触が悪く、チェックを任された父ノニト・シニア氏らトレーナー陣が使用を反対。大橋ジムがウバーリ用に準備した日本製グローブを選んだ。

ドネアは「井上選手と対戦するという事実が特別なモチベーションになっている。たくさんの栄光を手にしたので、このようなモチベーションは必要」と高揚感を口にした。

井上尚弥“弱音”をみせた

ボクシングWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)がNHK総合の人気ドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」に登場することが5日、発表された。

11月12日午後10時30分から同11時20分まで「モンスターの素顔~プロボクサー・井上尚弥~」と題し、10カ月間にわたる密着映像で井上の強さの秘密に迫る。階級最強を決めるワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)に参戦している井上。7日にさいたまスーパーアリーナで控える5階級制覇王者のWBA世界同級スーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)とのWBSS決勝に臨むまでの姿が見られそうだ。またリング外でみせた井上の“弱音”と、それを支える父親の存在を通じて「モンスター」の素顔にも迫る内容だという。

ドネアが井上尚弥に「何も感じなかった」

ボクシング5階級制覇王者でWBA世界バンタム級スーパー王者のノニト・ドネア(36=フィリピン)が静かに闘志を燃やした。

7日、さいたまスーパーアリーナで控える3階級制覇王者のWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)とのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝に向けた前日計量が6日都内で開かれ、ドネアは200グラム少ない53・3キロで1発パス。井上尚とはフェイスオフの写真撮影で20秒ほど目を合わせた。

「特に何も感じなかった。向かい合って目を合わせただけ。明日のリングで何かを感じたい」。

計量後、まず水分補給し、サラダとフルーツを口にしたフィリピーノ・フラッシュ(フィリピンの閃光)にはオーラが漂った。WBSS準決勝となる4月のステファン・ヤング戦の6回KO勝ちで区切りのプロ40勝を飾った。IBF世界フライ級を皮切りにWBA世界フェザー級スーパー王座まで実に5階級を制覇。バンタム級、スーパーバンタム級では2団体統一王者にも君臨した。WBCにもバンタム級、スーパーバンタム級でダイヤモンド王座を獲得してきた風格は、より大きな存在感として伝わってくる。

井上尚を倒すための秘策を問われ「秘策はない。自分の経験による引き出しが今までにある。それを使うことが作戦になる」とだけ言った。通常体重は58・9キロで、減量は5キロほどだった。試合当日にはリミット53・3キロから5キロ程度の増量でリングに上がるという。

海外オッズでは、ドネアが不利になっているものの「オッズとか、どちらが勝つとかは予想は関係ない。他人が決めたこと。自分には自分が信じる力がある。気にしていない。今まで同じ状況でも勝ってきたから」と不敵な笑みを浮かべた。勝てば新たに階級最強の証明となるアリ・トロフィーが手に入る。「あのトロフィーをリングで持つことを楽しみしている」と最後まで平常心を崩すことはなかった。

過去には元WBC世界バンタム級王者長谷川穂積を下したWBC・WBO世界同級王者フェルナンド・モンティエル(メキシコ)や元WBC世界スーパーバンタム級名誉王者西岡利晃も下すなど、日本のリングでも強さを証明してきたボクサーたちを次々と下してきた軽量級のレジェンド。今度は無敗の若きモンスター井上尚の大きな「壁」なる覚悟ができている。

ドネアはクール&オーラ

ボクシング5階級制覇王者のWBA世界バンタム級スーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)がクールな姿勢で、3階級制覇王者のWBA・IBF世界同級王者井上尚弥(26=大橋)との決戦に備えた。11月7日、さいたまスーパーアリーナでのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝に備えた4日、都内のホテルで井上尚とともに予備検診に臨んだ。ドクターチェックでは両者ともに異常はなかった。

数々のビッグマッチを戦ってきたオーラを漂わせたドネアは「このスポーツを長きにわたりやってきて、闘争心をむき出しにするのはリングだけ。このリラックス状態が『素』の自分自身です」と余裕の表情。身長で5・7センチ、リーチで3・0センチも井上尚よりも上回っているものの「そういった体格、フィジカル面のことはいつも気にしていない。昨日のカネロ(アルバレス)-コバレフ(のWBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ)を見たが、身長や体格が関係ないことを表している」と自身のアドバンテージとは考えていないようだ。

日本での試合は初めてだが、何度も来日しているドネア。アウェーの感覚もなく「今はエキサイティングな気持ち」と、井上尚とのバンタム級頂上決戦を楽しみに待っていた。

井上尚弥に「強力援軍」

階級最強を決めるトーナメントのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)制覇へ、WBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が強力な「援軍」を得た。

11月7日、さいたまスーパーアリーナでWBA同級スーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)との決勝に向け、4日には都内で予備検診に臨み、両者ともに異常はなかった。試合にはラグビーW杯日本代表のWTB松島幸太朗(26)が井上の応援に駆けつけることが分かった。

決戦間近を証明するように、減量の影響で両者ともに顔が細くなった。「お互いにフォルムが小さくなりましたね」と冗談交じりに5階級制覇王者ドネアの印象を口にした井上尚の表情には、自信が満ちあふれていた。「やることはやったし、不安材料は何1つない。試合当日、やりたいことをぶつけるだけです」。2日後に迫ったバンタム級頂上決戦を待ち望んでいた。

試合当日、11月2日の決勝まで盛り上がったラグビーW杯日本大会で活躍した日の丸戦士が応援に駆けつける。所属ジムの大橋秀行会長(54)が関係者を通じ、日本代表の初8強入りに貢献したWTB松島を招待したという。同会長は「ラグビーの勢いが尚弥のWBSS制覇にも伝わってくれれば」と説明。トライを量産した松島の応援する姿が試合当日、2万人以上が集結するさいたまスーパーアリーナの熱気をさらに高めてくれそうだ。

井上尚自らもラグビー日本代表に熱視線を送っていた。ラグビーに造詣が深いタレント武井壮と食事した際、日本代表の試合もチェック。またCTB中村亮土(28)がタックルなどで井上尚の動きを参考にしていると知ると「本当ですか」と喜び、刺激を受けた。この日の予備検診では身長が5・7センチ、リーチも3センチほどドネアより下回った井上尚は「そこをどう考えるか。それだけ」と言えば、父真吾トレーナーも「想定内です」。ラグビー日本代表同様、体格差を超越する戦いをみせるつもりだ。

3日にジムワークを打ち上げた。「練習も上がっていますし、体重も仕上がっている」。大橋会長によれば練習終了時で、リミットを切っていたという。栄養摂取しながらの減量も可能だ。WBSS制覇へ、レジェンド狩りの準備が整ってきた。

井上尚弥、究極の一戦へ“ピリピリ感”

ボクシング3階級制覇王者のWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が7日、さいたまスーパーアリーナで5階級制覇王者のWBA世界同級スーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)とのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝のリングに立つ。日本のモンスターVS軽量級のレジェンド。世界から注目され、日本ボクシング史に残るであろう究極の一戦となる。階級最強を決めるトーナメントのファイナルに向け、井上からは心地よい「ピリピリ感」が漂っている。

5月の準決勝前と今回の決勝前。同じように井上には緊張感が漂っている。しかし、その「質」は大きく違うようだ。

英グラスゴーでのIBF世界同級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)戦に向けた日本での公開練習は1部分が非公開になった。前日計量後のインタビューもWBSS公式のみに限定された。ボクシング専門誌に掲載されたインタビューで、ロドリゲス陣営が合宿地を非公開とした。さらに同陣営からはスパーリングパートナーに日本人を呼びたいとするコメントもあり、井上は「日本人とは、誰がパートナーをやるのですかね」と気にしていた。対戦相手の秘密主義ぶりに、神経をとがらせざるを得ない状況となっていた。

グラスゴー入り後の公開練習時、ロドリゲス陣営から井上の父真吾トレーナー(48)が挑発に近いような言動を受けた。試合後に和解したものの、決戦のリングまでは、ピリピリしたムードだった。ドネア戦前も、同じく公開練習は一部分が非公開に。前日計量後もWBSS公式インタビュー以外は取材を受けることなく会場を去ったが、今回はいずれも体調面を配慮した所属ジムの大橋秀行会長(54)の発案だった。

ロドリゲス戦は本人、そしてドネア戦は「大事な試合だからこそ、ご理解ください」という師匠の意向。ピリピリ感の「質」の違いは、これが理由なのだ。

井上は言う。

「ロドリゲス戦のナーバスさというのは、向こうの状況が一切なかったというところですね。だから、こちらも一切、情報を出したくなかったという感じでした。あとは日本ではなく、グラスゴーだったということですかね。ドネアに関しては、今さら情報も何もって感じではないですか。リングに上がって調子が良い方、運をつかんだ方が勝つと思います」。

もはや井上尚とドネアには因縁や挑発は必要ない。ボクシングファンならば、誰もが注目してしまう対決だ。2万人以上が集結するさいたまスーパーアリーナ。チケットは完売で、当日券もない。フジテレビが生中継、NHKでもBS8Kで生中継される。地上波ではないものの、NHKのボクシング中継は約60年ぶり。さらにWOWOWの録画中継も発表されている。異例の放送体制となる。

「こういう期待、注目からくるプレッシャーはプロとしてうれしいです」と井上尚。そして、こう続けた。

「こういったプレッシャーは大好物なんで」。

判定決着は想像しにくい。一撃必殺のパンチ力を持つ3階級制覇王者井上尚-5階級制覇王者ドネアのファイト。「自分が何が求められているか重々承知しています」とも言い切るモンスターが、バンタム級頂上決戦に臨む。手にすれば世界で4人目となる階級最強を証明するアリ・トロフィーも懸けた2団体統一戦。そのゴングは今夜、鳴る。

井上拓真「最高の形で兄につなげる」

ボクシングWBC世界バンタム級王座統一戦(7日、さいたまスーパーアリーナ)の前日計量が6日都内で行われ、暫定王者井上拓真(23=大橋)はリミットの53・5キロ、正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(33=フランス)は53・5キロでそろってクリアした。計量後は約20秒間向かい合ってフェースオフ。両者緊張感を漂わせた。

無事クリアした井上拓は「やっと準備が整ったという思い」と話し、「必ず正規王者になって最高の形で兄につなげる」と宣言。同日メインのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝でノニト・ドネアと戦う兄井上尚弥に、勝利のバトンを渡す。

井上拓真「自信しかない」

ボクシング・ダブル世界戦の記者会見が、5日に都内で行われた。WBC世界バンタム級暫定王者井上拓真(23=大橋)は7日にさいたまスーパーアリーナで、正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(33=フランス)との王座統一戦に臨む。両者ともに無敗対決での勝利への自信を示した。

井上は13連勝(3KO)で、10カ月ぶりの試合で初防衛戦となる。いつもの赤いジャージー姿で「勝負のカギは自分のボクシングを出せるか。試行錯誤しながら練習してきたが、今は自信しかない。リングの上で自分のボクシングをするだけ」と誓った。

2度目の世界戦で兄のWBA、IBF世界同級王者井上尚弥(26=大橋)と世界戦で初めての共演となる。「必ず兄弟でダブル勝利したい。しっかり勝って兄にバトンをつなぎたい」と決意を口にした。

ウバーリは16連勝(12KO)で、7月以来のV2戦となる。「井上はいいボクサーだが、私のように強いボクサーとやっていない。彼よりも勝っていて、自分がNO1ということを示したい。楽しい試合をして、日本のファンにも知ってもらいたい」とこちらも負けていなかった。

会見後にはルール・ミーティングが行われた。井上は日本製の黒、ウバーリはカナダ製の白のグローブを使用する。無敗対決に白黒をつける。

井上拓真「やりやすいと思う」

ボクシングWBC世界バンタム級暫定王者井上拓真(23=大橋)が4日、都内で11月7日の王座統一戦(さいたまスーパーアリーナ)に向け、予備検診を行った。

2人はこの日が初対面。身長は井上拓が164・2センチで、161・4センチの正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(33=フランス)を2・8センチ上回った。同じぐらいの身長と予測していた井上拓は「思ったより低かった。よりやりやすいと思う」と喜んだ。一方で、リーチは163センチに対し相手が170センチと7センチ劣る。それでも「前回の試合でリーチの長い選手とやっているので数字は気にしない」と問題にしなかった。

所属ジムの大橋会長によれば、前日3日の段階で53・5キロのリミットを既にクリア。減量も順調とあり、顔色も良好だった。井上拓は「あとはリングに上がるだけ。全力で戦う」と静かに闘志を燃やした。

正規王者ウバーリは、初対面の井上拓の印象を問われると「すべてはリングの上にあがってから。前日計量の時にじっくり眺めてやろうと思います」と余裕の表情で語った。身長差については「どうでもいいこと」と一蹴。「どんな状況でも適応できる。強いものが勝つ」と自信を口にした。

井上尚弥 WBSS決勝をNHKが放送

NHK大阪放送局は5日、WBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が、7日にさいたまスーパーアリーナで戦うWBA同級スーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)との階級最強を決めるトーナメントのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)の決勝の模様を、大阪市中央区の同局1階アトリウムで、BS8Kで公開中継すると発表した。

NHKは、この一戦をBS8Kで午後9時から同10時15分まで生放送する。井上への全国的な注目度の高さもあって、同局は「通常は午後9時までのアトリウムを延長して、受信公開する」とした。

280インチの特大モニターでの公開となる。座席数は約100席の予定。観覧無料。立ち見も可能で、整理券の配布予定はないという。

井上拓真(いのうえ・たくま)とは

1995年(平7)12月26日、神奈川県座間市生まれ。4歳から父真吾さんにボクシングの手ほどきを受け、小学1年から本格的に競技開始。11年高校総体ピン級優勝。12年高校選抜ライトフライ級優勝。13年12月に大橋ジムからプロデビュー。15年7月に東洋太平洋スーパーフライ級を獲得し、2度防衛の後返上。18年12月にWBC世界バンタム級王座を獲得。趣味は爬虫(はちゅう)類飼育で、現在のペットはヒョウモントカゲモドキのロビン。164センチの右ボクサーファイター。血液型A。

ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)とは

米プロモート大手で要職に就いていたリチャード・シェイファー氏、カレ・ザワーランド氏の米独プロモーターがタッグを組んで企画された階級最強を決める大会。各階級に世界主要4団体の王者が君臨しているため、賞金を設定して出場を求め「真の最強」をトーナメント形式で決定。シーズン1として17年秋から約1年かけてクルーザー級とスーパーミドル級を開催し、賞金総額が50億円以上とされていた。18年秋からはシーズン2が開幕。バンタム級、スーパーライト級、クルーザー級の3階級が組まれ、10月26日、英ロンドンでスーパーライト級決勝が開催され、WBAスーパー・IBF王者ジョシュ・テイラー(英国)が制覇した。

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