崎陽軒がシウマイ弁当4000個をクルーズ船の乗客乗員らに差し入れ
横浜名物の「シウマイ」で知られる崎陽軒が12日、新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」などに差し入れを行っていたことが分かった。
同社によると、差し入れられたのはクルーズ船の乗客・乗員向けの3800個と、現地で医療支援などにあたっている自衛隊などに向けた200個の計4000個。いずれも、この日の昼食として食べられるよう、午前中のうちに同社の人気商品「シウマイ弁当」(税込み860円)を差し入れたという。
広報・マーケティング部の担当者は「クルーズ船の中で不自由な生活を送っていらっしゃる乗客の方、感染拡大防止のために頑張っている乗員の方などを励ますために、何か協力できないかと社内で検討した上で、差し入れの実施を決めました」。過去の同様の例としては、2011年の東日本大震災の際に、真空パックのシウマイを被災地に差し入れしたことなどがあるという。
日本近海に入港拒否された多数の豪華客船がさまよっている模様
新型コロナウイルスによる肺炎を巡り、日本や中国周辺を回る大型クルーズ船の運航に支障を来す例が相次いでいる。横浜に到着した船の乗客多数が感染していたことを受け、日本やアジアの国や地域で入港を拒否する動きが広がっているためだ。1月以降に中国を訪れた大型船21隻のうち最大5隻が次の寄港地が決まっていないことが分かった。向かう先で入港できず、次でも断られ、行き場を失う船が出てきた。
7日日本時間正午までの航跡をみると、日本が乗船する外国人の下船を拒否した米ホーランド・アメリカ・ラインの「ウエステルダム号」(定員約1960人、乗組員約800人)は1日に香港を出て台湾の高雄に接近した。しかし寄港せずに太平洋に抜け、6日午後には石垣港の南西約100キロメートルまで近づいたが、ここでも入港しなかった。当初はその後日本の複数の港に寄る予定だったが、石垣島沿海から太平洋を南下する針路を取っている。
イタリアのコスタクルーズ社が運航する「コスタ・セレーナ」と「コスタ・ベネチア」は、韓国周辺の東シナ海上にとどまっている。
米シーボーンクルーズラインの「シーボーン・オベーション」(定員約600人、乗組員約400人)は2日ごろ香港を出港、フィリピン方面に向かったものの、途中でベトナムに向けてほぼ垂直に針路を変えて同国中部沖まで航行した。しかし港に寄らないまま南下し、7日朝、タイ中部の港にようやく入った。
日本政府は7日、ウエステルダム号が石垣港に入港しないよう求めたことを明らかにした。国土交通省によると、乗員乗客の大多数が外国人だった。
台湾やフィリピン、ベトナム当局も拒否している。台湾では、台湾人が乗船している場合を除き原則として入港を認めていない。香港のドリームクルーズ社の「ワールド・ドリーム」も入港を拒否され、香港から出港できない状態のままだ。
WHO「クルーズ船の乗客が日本に下船できるよう日本政府に働きかける」
世界保健機関(WHO)で緊急事態への対応を統括するマイク・ライアン氏は7日、ジュネーブでの記者会見で、新型コロナウイルス感染者の乗ったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」への対応について、日本政府と協力する考えを示した。
ライアン氏は船内で約3600人の乗船者がとどめられている現状について、「乗客を適切に下船させられる方法を探す必要がある」と述べた。