全試合結果
▽第1試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント・一回戦
○木村“フィリップ”ミノル(1回2分10秒 KO)海斗●
▽第2試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント・一回戦
○エダー・ロープス(2回49秒 KO)神保克哉●
▽第3試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント・一回戦
○城戸康裕(2回1分54秒 KO)ミラン・ペイルス●
▽第4試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント・一回戦
○和島大海(3回40秒 KO)アワターン・トー.モースィー●
▽第5試合(61キロ)
○友尊(判定 3―0)SATORU成合●
▽第6試合(スーパー・ライト級)
○山崎秀晃(2回2分59秒 KO)寺島輝●
▽第7試合 K-1 WORLD GPウェルター級タイトルマッチ
○久保優太(判定 3―0)ジョーダン・ピケオー●
▽第8試合(フェザー級)
○ジャオスアヤイ・ソー.デッチャパン(3回開始 ドクターストップ)小澤海斗●
▽第9試合(スーパー・バンタム級)
○玖村将史(判定 2―0)金子晃大●
▽第10試合(スーパー・フェザー級)
○レオナ・ペタス(3回2分33秒 KO)村越優汰●
▽第11試合(ウェルター級)
○野杁正明(判定 3―0)ダビド・メヒア●
▽第12試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定級王座決定トーナメント・準決勝
○木村“フィリップ”ミノル(1回1分2秒 KO)エダー・ロープス●
▽第13試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント・準決勝
○和島大海(判定 3―0)城戸康裕●
▽第14試合 K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチ
○安保瑠輝也(判定 3―0)不可思●
▽第15試合(ライト級)
○朝久泰央(判定 3―0)林健太●
▽第16試合(女子フライ級)
○KANA(1回2分42秒 KO)グロリア・ペリトーレ●
▽第17試合(スーパー・バンタム級)
○武居由樹(判定 3―0)デンサヤーム・アユタヤファイトジム●
▽第18試合 K-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチ
○シナ・カリミアン(判定 3―0)愛鷹亮●
▽第19試合(スーパー・フェザー級)
○武尊(2回49秒 KO)ペッダム・ペットギャットペット●
▽第20試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント・決勝
○木村“フィリップ”ミノル(1回1分10秒 TKO)和島大海●
K-1の強行開催で武尊が号泣
“K-1 年間最大のビッグマッチ”「K-1 WORLD GP 2020 JAPAN ~K’FESTA.3~」が22日、さいたまスーパーアリーナで決行された。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、西村康稔経済再生担当相から埼玉県・大野元裕知事を通じて自粛を要請される中、前座を含む全25試合を強行される異例の大会となった。
K―1のエースでスーパー・フェザー級王者の武尊(28)=K―1 GYM SAGAMI―ONO KREST=は、ダブルタイトルマッチを戦う相手だったISKA世界ライト級王者のアダム・ブアフフ(モロッコ)が来日不能となり、セミファイナルに降格(メインはスーパーウエルター級トーナメント決勝)。3日前に発表された代役、ペッダム・ペットギャットペット(タイ)とのノンタイトル戦に2回49秒、KOで勝利しリングで号泣した。マイクを握り、何度も嗚咽(おえつ)しながら「こんな状況でいろいろ言われますけど、やっぱり格闘技ってすごいスポーツだと思う。今こそ、こういう時だからこそ、格闘技がみんなにパワーを与えていけると思うので、団体とか関係なく、世界中を元気にしていきたい。格闘技、最高!」と絶叫した。
武尊「格闘技でもっとたくさんの人にパワーを」
K-1のエースでスーパー・フェザー級王者の武尊(28)=K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST=が、ペッダム・ペットギャットペット(24)=タイ=に2回KO勝利で圧倒した。
1回終了間際にダウンを奪った武尊。2回、ワンツーでぐらつかせると、左右の強打を数十発。対戦相手が崩れ落ちた。
リング上で「ダブルタイトルマッチなくなって、スーパーファイトになっちゃったんですけれど、僕は試合内容で見ている人たちとか、応援してくれている人たちにパワー与えられたらいいなと思って試合しているので、タイトルマッチなくなって悔しかったんですけれど、応援してくれた皆様のおかげで今回勝つことができたと思います」とコメント。「こんな状態でいろんなこと言われますけど、やっぱり格闘技ってすごいスポーツだと思っている。格闘技でもっとたくさんの人にパワーを与えていきたいです」と涙を流しながら語った。
さらに「やっぱり、今こそこういう時だからこそ、格闘技がみんなにパワー与えていけると思うので、団体とか関係なく、日本中世界中をもっと元気にしていきたい。たくさんのことがあってこそだと思うので、格闘技界全体を応援してもらって必ずでかい大会やりますので、そのときはみんなで白熱して、パワーもらって帰ってください。それに向けてがんばります。格闘技最高」と会場を沸かせた。
バックステージでの武尊コメント「(相手が変わった)試合の情報をもらったのは数日前だったので、周りが情報入れないようにしていて、直前に聞いた。悔しい気持ちがありましたね。反発心はなかったですけど、K-1背負ってる立場としては、もっと日本だけじゃなく、世界を見て、でかくしていきたいし、もっと格闘技をみんなに届くスポーツにしたいんで。もっともっと多くの人に見てもらって、どこまでいけるのかという迷いや葛藤があったので、いろんな気持ちがありました。試合前からいろんなことが重なって、自分でもよくわからなくて、今の日本だったり、世界の現状だったり、この大会を開催することも、全てをプラスにするつもりだったんですけど、いろんな意見もあるし。いろんな思いが、試合前から、いっぱいいっぱいになってましたね」
愛鷹は「正直な気持ちです」と悔し涙を見せた。
セミ前のK-1クルーザー(90キロ以下)級タイトルマッチ。身長2メートルの王者、シナ・カリミアン(32)=イラン=に武尊と同門の愛鷹亮(30)が挑んだ試合だった。昨年8月の大阪大会ではノンタイトルマッチで愛鷹がKO勝利の番狂わせを起こしている。満を持してのタイトル挑戦だ。
180センチの愛鷹は、20センチ長身のカリミアンにいきなり右を大振り。肩車した相手とスパーリングして磨いた荒技だ。1回から、この“スイング”フックの連打でダウンを奪った。2回も右を振っていくが、カリミアンの右バックブローでダウンを喫した。パンチの連打にひざを食らい、ダメージはあったはずだが、それでも右を振り続けた。3回も打ち合い続け、判定に。0-3で王座奪取はならなかったものの、会場をヒートアップさせた。
武尊のような緻密なファイトではないが、客席の最後列からもわかる大振りパンチのクリーンヒット。これこそ、重量級の醍醐味だ。武尊がアピールしたように、格闘技を知らない世界中の人にパワーを与えることができるのは、これだろう。新型コロナウイルスという見えない敵と闘い、不安だった胸の内をリングで爆発させた武尊。愛鷹は2メートルという見えすぎる大きな敵に玉砕覚悟で、どつき合いを繰り広げたのだ。
愛鷹は「悔しいの一言です。前回戦ったより強かったですね。自分を出し切れなかった。もっと出せたはずなので…、言い訳に聞こえちゃうんですが、正直な気持ちです」と悔し涙を見せた。そして「俺は絶対にK‐1チャンピオンになります」と言ってインタビュールームを去った。
新型コロナ自粛要請も全試合決行、ミノルが悲願
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、自粛要請を受けていたが強行開催。複数の海外選手が来日不可能となり、3カードが急きょ変更となるなど混乱の中で行われた。
スーパー・ウェルター級トーナメントでは木村“フィリップ”ミノル(26)=ブラジル=が優勝し、第3代スーパー・ウェルター級王座に輝きいた。K―1のエースでスーパー・フェザー級王者の武尊(28)=K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST=も圧倒的な力の差を見せつけ会場を沸かせた。
強行開催で賛否のK-1
中村プロデューサーのコメント
「昨日の大会ですけども、新型コロナウイルスの影響がある中での大会開催となりました。我々、主催者としては、事前に会場のさいたまスーパーアリーナさんとも協議して最大限の対策、予防策を講じて開催しました。まず予定通りに大会を終えられたことをここでご報告させていただきたいと思います。観衆は6500人として発表させていただきました。一昨年、昨年のK’FESTAよりも少ない数字になっているんですけども、予防策、対策の一環として、会場内の密集解消のために、通常よりも席を削減して大会を開催しました。昨日の大会はAbema TVさんで生中継をして頂いて、事故無く最後まで放送することができたというご報告を受けております。また多くの視聴者からご好評を頂いているという言葉も頂きました、会場に来られなかった方にたくさんの方に見て頂いたと思います。この後、7月の福岡大会、8月の大阪大会、11月の両国大会と大会は続いていきます。昨日の大会、結果をふまえて、またこの後の大会も盛り上げていきたいと思います」
会見での質疑は試合についてのみと制限され、「大会開催に関する場はあらためてもうけさせて頂きます」と説明した。