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木村花さん死去を受けテラスハウスは打ち切りに | 武藤敬司「木村花はWWEでも成功する」「グレート・ムタの娘」 | 仏紙も報道「カリスマ的戦士の死」

木村花さん葬儀は日時、場所公開せず

女子プロレス団体スターダムは26日、23日に急死した木村花さん(享年22)について公式ホームページで報告した。以下、原文まま

当社所属木村花選手の5月23日の突然の訃報におきましては、皆様のご心配、深い悲しみ、重ねてお詫び申し上げます。木村花選手のご逝去については、警察による判断の結果、事件性は無いものと伺っております。

より詳しい死因等につきましては、ご遺族のご意向により公表を差し控えさせて頂きます。こちらの詳細については、今後も当社の会見、リリース等において、公表を行う予定はございません。マスコミの皆様、ファンの皆様におかれましては、何卒ご容赦、ご配慮くださいますようお願い申し上げます。

またご遺族並びに、当社所属選手等への取材は、現状の状態を鑑み、控えて頂きますよう何卒お願い致します。加えて、近隣の住民の方のご迷惑にもなりますので、ご遺族や、選手の自宅、事務所、練習場等への張り込み、訪問はご遠慮下さい。

なお、木村花選手のご葬儀につきましては、内々に行いたいというご遺族のご意向により、日時や場所の公開は控えさせて頂きます。マスコミ、ファンの皆様はご配慮頂きますようお願い申し上げます。

ご遺族からは木村花選手を応援して頂いたファンの皆様への深い感謝の言葉を頂いており、現在新型コロナ禍のため開催日時は未定ではありますが、木村花選手の追悼興行の開催を検討しております。また興行以外にも映像や写真など、ファンの皆様へお届け出来ればと話し合いを行っていく予定です。

詳細は決定し次第お知らせ致します。

木村花選手のご冥福を深くお祈り申し上げます。

以上。

武藤敬司「木村花はWWEでも成功する」

木村花さんは、世界最大のプロレス団体、米WWEでもトップレスラーになり得る逸材だった-。木村さんが基礎を学んだプロレス総合学院で、当時校長を務めた“師匠”の武藤敬司が取材に応じた。

デビュー前に約半年、デビュー後に約3年、成長過程を見る中で「将来的にはWWEでも成功すると思っていた」。娘のような存在、しかも将来性抜群の素質が失われた哀(かな)しみを語った。

将来的にはWWEでも成功すると思っていた。

「ジーニアス(天才)」と呼ばれる武藤は、木村さんの天才的な素質に期待していた。武藤と化身のグレート・ムタ、両方で日米のトップに君臨した経験を持つからこそ、木村さんの国境を越える魅力に、底知れない将来性を感じていた。

名前の通り、華があった。オリエンタルな顔立ちにスタイルの良さ。それに力強さと、まだ粗削りだったけど迫力もある。何より自己主張の強さ、人を引きつける天性のものがあった。将来的にはWWEでも成功すると思っていた。

それは亡くなった今、感傷的になって発した言葉ではない。木村さんが、武藤率いるWRESTLE-1(レッスルワン=W-1)所属だった19年3月までのデビュー前後の約3年半、プロレス総合学院1期生と校長として、団体の若手とエースとして接する中で、常々思っていたという。

本当にショックだよ。

会うと必ず、しっかりと目を見て元気に「こんにちは」と、あいさつする気持ちの良い子だった。でも、メークにしても技にしても、こだわりがあって頑固なところもあった。そういういちずな性格が自己主張の強さ、人間的な魅力になっていた。将来が楽しみだった。オレは23歳の息子と20歳の娘がいて、ちょうど間の年齢だから子どものような感じだった。本当にショックだよ。

そんな木村さんの真面目な性格を知るからこそ、SNSによる誹謗(ひぼう)中傷に心を痛めたのは、想像に難くなかったようだ。

頑固ゆえに考えすぎたのかな。言い方は難しいけど、SNSでもヒール(悪役)を徹底して、誹謗中傷を歓迎するぐらいのキャラクターを演じきっていれば、割り切って悩まずに済んだかもしれない。さらに外出自粛になったことで、家で一人、殻に閉じこもってしまったんじゃないかなと思う。

W-1では、実は木村さんを軸とした一つの構想があった。 | はW-1で女子部をつくりたかった。

今春で無期限活動休止したW-1では、実は木村さんを軸とした一つの構想があったことも明かした。

結局(木村さんが19年3月に)スターダムに移籍してしまったし、今では団体がなくなってしまったけど、本当はW-1で女子部をつくりたかった。WWEのように。そしてやっぱり、将来的にはWWEで活躍してほしかったな。

武藤は米国には旧知のプロレス関係者も多い。「グレート・ムタの娘」。世界中のプロレスファンを熱狂させるスーパースター誕生の夢も、今は見ることができなくなった。

仏紙も報道「カリスマ的戦士の死」

木村花さん(享年22)の訃報は、海を越えてフランスでも大々的に報じられた。

26日付のル・モンド紙電子版は「ネットハラスメントの被害者 日本人女子プロレスラーの死」と報道。恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演していたことを伝えた上で、「テレビの中の出来事はインターネットで激しいリアクションの波をかき立て、22歳の若い女性を深く傷つけた」と記している。同紙は木村さんの経歴とともに、彼女の美しさと、衣装やブーツなどファッションにもこだわっていたことなどを詳細に紹介。リング上で放つオーラがあったとし「カリスマ的戦士」と表現した。

木村花さんについて公式HP報告

子プロレス団体スターダムは26日、23日に22歳で亡くなった木村花さんについて公式ホームページで報告した。

木村さんの死去は「警察による判断の結果、事件性は無いものと伺っております」。詳しい死因は「ご遺族のご意向により公表を差し控えさせて頂きます」とした。葬儀は「内々に行いたいというご遺族の意向」があるとした。また、時期は未定だが追悼興行の開催や、木村さんの映像、写真の提供を検討していると発表した。