意地と意地がぶつかり合う熱戦
メインエベントとして行われた注目のキックボクシング対決は、那須川天心が、3-0の判定で皇治に勝利した。
試合が始まると同時に、那須川が左の蹴りを中心に圧力をかけ、膝蹴り、スピードを生かしたパンチで一気にペースをつかんだ。残り30秒を切ると、皇治も反撃を試み、両手を広げて挑発。2回に入ると皇治が積極的に距離を詰めにかかったが、那須川はローキック、ノーモーションの左ストレートなどで冷静に応戦した。
那須川がさらに攻め手を強めたが、皇治も被弾覚悟で反撃。意地と意地がぶつかり合う熱戦は判定にもつれ込み、有効打で上回った那須川が勝利をつかんだ。
試合後のインタビュー
那須川「僕にはたくさん夢がある」
試合前から煽られてムカつきましたが、熱い試合ができて良かったです。(皇治のファイトスタイルは)イメージ通りでした、打たれ強かったですね。でも何もさせずに完勝できました。欲を言えば倒したかったけど、圧倒的な力の差は見せつけられたと思います」
「打たれ強いが、スピードも技も僕が上。相手の技も全部見えた。めちゃくちゃ誘ったんですが、こなくて、僕が試合を作っていった感じ」
皇治「男として情けない」
「闘う前のイメージとは違いましたね。天心君は、想像していた以上に上手かった。泣かすための準備をしていたが、何もできなかった。男として情けない、未熟でした。ファイターとして反省します」
「天心はカウンターがうまいので無駄に手を出さないで詰めていく作戦だった。でも距離を取るのもうまかった。スピードもズバ抜けていた。もっと殴りあいに持っていきたかったけど、さすがのうまさで…」
「よく倒されなかった。魅せたぞ」と皇治に対する称賛の声も上がったが本人は、それを打ち消す。
「キックボクシングは、ダウンを奪われない競技じゃない。倒れないのは当たり前。素直に負けたことが悔しい。天心君の上手さの前に力を出し切ることができなかった」
皇治「武尊の方が強い」
質問が皇治に飛ぶ。「実際に闘ってみて武尊と那須川天心は、どちらが強いと思うか?」
皇治は「武尊の方が強い」
「両方に負けておいて俺が言うことじゃないですけど聞かれたので答えました。それに実際に闘えば相性もあるから、どっちが勝つかは分からないですよ。ただ、武尊と闘った時は記憶が飛びました。でも今日は強がりなしに、まったく効かされてないです。3ラウンドがアッという間で力を出し切れなかった。上手さにやられたという感じです」