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森喜朗「東京五輪、もう中止にはできない。」

森喜朗「無観客でも開催する。」

<東京2020組織委員会・森喜朗会長直伝(6)>

東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)が延期に伴い2度目の五輪イヤーとなる新春インタビューに応じた。新型コロナウイルスは感染が再拡大し一寸先は闇だが大会開催について「中止にはできない」と断言した。今春、政府から無観客の指示が下ったとしても「工夫してやるべきだ」と語った。

-感染が再拡大している。政府は来春に観客入場制限の有無を決めるとしているが具体的にはいつか

「3~5月。最終的には5月でしょうが、それより前かもしれない」

-感染状況次第では最悪、無観客でも開催すべきか

「もう中止はできないから、たとえ無観客という指示が出たとしても工夫してやるべきだ。昨年1年間、無観客のイベントや無出社でテレワークするなど日本は工夫してやってきた。どんな苦難があっても乗り越えられる。明日の箱根駅伝に注目している。無観客で開催するというが、沿道の観衆をどうするのか」

-コロナ対策の出来具合は

「国、東京都、組織委で細かいところまで徹底的に対策が練られた」
-再延期はないか

「できるはずがないじゃないですか」

-会長は11月、コロナ対策の観点から開会式の入場行進の人員削減にこだわるとした

「1番問題なのは行進前の集合場所。会場内に集まる。数時間も待つとなると濃厚接触がすごい。これを心配している」

-何か策は

「選手村をバスで出る時間を調整したい。一斉に出るのではなく国立競技場周辺の待機時間をせいぜい30分程度にできるよう、新幹線並みのダイヤを組みたい。日本人が得意な分野だ」

-入場行進する選手、役員などの人員を75%削減する案はどうなるのか

「まだ決まっていない」

-開会式の時間短縮は

「個人的には半分の2時間で良いと思っている。しかしIOCが反対。テレビ局が枠を買っている。時間を短縮すると契約違反で違約金が発生する。それを日本が払ってくれとなる恐れがある。それ以上の議論をすると深みにはまるから、私はそこは引っ込めて、他の案を考えようと言った」

-何か良いアイデアは

「4カ所の入場口から選手団を入れようと考えたがIOCから反対された。読者の皆さんもいろいろ考えているかもしれないが、それなりに反対論がある。ただIOCが選手村の滞在を競技前5日間、競技後は2日間と決めた。これでだいぶ、開閉会式の参加者数が減るのでは」

-来春、無観客と判断されたら900億円のチケット収入が入らない。その想定はあるか

「それはしていない。現実に野球やサッカーは知恵を出して有観客で実施している」