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ボクシング | 井上尚弥 vs マイケル・ダスマリナス | 試合動画 | 井上尚弥が4団体統一戦「ダブルミリオン」 | 衝撃の3回TKOでファイトマネーは1億円超え

井上尚弥が全米衝撃の3回TKO

ボクシングWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥が米ネバダ州ラスベガスのヴァージンホテルで挑戦者のIBF同級1位マイケル・ダスマリナスとの防衛戦(WBA5度目、IBF3度目)に臨み3回TKOで勝利した。

ラウンド詳細

■1R

挑戦者のダスマリナスは笑みを浮かべてリングに登場。王者の井上はリングに上がると会場の大歓声に右手を挙げてこたえた。開始からサウスポーのダスマリナスが右ジャブを伸ばす。井上はじっくりと相手の動きを見る。1分すぎに井上の左フックが挑戦者の顔面をかすめると、ダスマリナスは足を使って逃げる。2分すぎに井上が挑戦者をロープに追い込んで右ストレートから左フックを放つ。井上が初回から主導権を握る。

■2R

井上が開始から前に出てプレッシャーをかける。ダスマリナスは苦し紛れにパンチを出すが井上はガード。1分50秒すぎに井上のワンツーから左ボディーがさくれつし、ダスマリナスがダウン。再開後、井上が前に出て連打。終盤に再び井上の左ボディーブローが決まり、ダスマリナスの動きが止まるがゴングに救われる。

■3R

井上が開始からスピードに乗ったワンツーでロープに飛ばす。30秒すぎに井上のボディー連打もダスマリナスは耐える。1分半すぎにダスマリナスがワンツー連打で出てくるががっちりとガード。2分20秒すぎに井上の強烈な左ボディーフックが決まり、ダスマリナスがダウン。何とか立ち上がったが再び井上の左ボディーブローが決まり、挑戦者がもん絶して倒れ込み、レフェリーが試合を止めた。井上の3回TKO勝利。

試合動画

井上尚弥が4団体統一戦「ダブルミリオン」

対戦相手は未定だが、早くも同陣営は他団体王者との王座統一戦を想定している。

今回の井上のファイトマネーは2戦連続で100万ドル(約1億1000万円)となったが「対戦する王者も同じ程度のファイトマネーにならなければ日本開催はできないだろう」と説明。バンタム級では破格の両王者ともに100万ドル超えという「ダブルミリオン」マッチになると明かした。

ドネア-カシメロ戦の結果や、勝者の体調の懸念は残るものの、ドネアは米メディアのインタビューで「井上と年末にやろう。彼はそれを望んでいるし。私も望んでいる」と年内中の対戦を希望。ドネアがカシメロを下し、WBC、WBO統一王者になった場合、交渉はさらにスムーズに進みそうだ。

ドネア-カシメロ戦の勝者との対戦を待つことができるかを問われた井上は「順調にやれるのであれば待ってもいいかな。WBO、WBCのベルトに焦点を合わせたい」と統一戦にこだわる姿勢を示した。8月に誕生するであろうWBC、WBO統一王者の動向次第では、2年ぶりの国内マッチが4団体統一戦になる可能性も十分にありそうだ。井上が日本人初、史上7人目となる4団体統一王者になる瞬間が、日本で見られるかもしれない。

井上尚弥「ドネアとカシメロが来てるので」

BF同級1位マイケル・ダスマリナス(28=フィリピン)を3回2分45秒、TKOで倒し、日本人初となる2戦連続の「聖地」防衛に成功した。

「相手の弱気な姿勢もみえたので、こんなものかと」

2回に左ボディーで最初のダウンを奪うと、続く3回左ボディーで2度ダウンを追加。完全に挑戦者の戦意を喪失させ「相手の弱気な姿勢もみえたので、こんなものかと」。本人採点は80点と謙虚だが、文句なしのパーフェクトな試合内容だった。

自身初のラスベガス有観客興行だった。全米生中継で、WBC同級王者ノニト・ドネア、WBO同級王者ジョンリール・カシメロという対抗王者が見守る中で実力をアピールした。

「このぐらいやらないと。」

試合後、井上は「このぐらいやらないと。ドネアとカシメロが来ているので」と笑顔。「ボディーでも顔でも倒せる準備をしてきた。今夜はボディーで倒せて良かったです。1回に相手の出方を見て、早い段階でいけると確信を持った」と振り返った。

試合前には、米カーソンでドネア-カシメロの2団体統一戦が開催されると米メディアに報じられ、両王者ともに認めた。目標に掲げるバンタム級4団体統一へ、大きなステップを踏んだ井上は「(この勝者と)もちろん(やりたい)。この後のドネアとカシメロの勝者と戦えることのうれしさがある」と声をはずませていた。

ファイトマネーは1億円超え

日本人初となる聖地での2戦連続防衛戦で、井上は「ミリオンダラー王者」を確固たるものにした。

大橋会長から明かされたファイトマネー額は、昨年10月、当時のWBO1位ジェーソン・モロニー(オーストラリア)戦に続き、軽量級では破格となる100万ドルだった。米老舗専門誌ザ・リングのパウンド・フォー・パウンド(階級超越した最強王者)ランク2位に入る井上の「価値」に揺るぎはなかった。