引退を示唆の皇治に魔裟斗「正直者は馬鹿を見る」
魔裟斗から「トーナメントを見ていて、これはちょっと皇治と話しなきゃダメだなと思って」と声をかけられた。
魔裟斗も「俺もKIDとやった時さ、KIDにローブロー入れちゃって。もちろんわざとじゃないんだよ。わざとじゃないけれど試合が止まってさ。大阪ドームでテレビで中継があって、これでノーコンテストになっちゃったらどうなんの? とか思って。こっちも相当精神的に“ヤバい”ってなった。多分、同じ気持ちだっただろうなと思って。その気持ちで控室にいてまた決勝戦。その気持ちの立て直しも難しかったんじゃないかな」
魔裟斗は「皇治は故意にバッティングを狙っていってるということではなく、ああいう戦い方しかないのは分かるよな、と思って」と、身長差のある相手には前へ出てインファイトを仕掛けるしかないとし、「白鳥に対して皇治の頭も当たっていたけれど、白鳥のエグいバッティングもあったよ。気付いてる? 思いっきり皇治もローブローもらってたの知ってる?」
皇治は「まあ…ああ…気にしてないです全然」「分からないです、そんなことないです」と言葉を濁したが、魔裟斗は「白鳥も自分が当てたことは分かってないんじゃないのかな」「正直者は馬鹿を見るみたいな結果になっちゃっているな」と、バッティングやローブローは両者にあったと指摘。皇治の眼底骨折は白鳥のバッティングによるものかもしれないとの推測も。それに皇治は「勝ってたらボロカス言うんですけれど、敗者に口無しと思うので自分から言うことはないかなと思って」
皇治だけがバッティングしたみたいにとられている
魔裟斗「1回戦の梅野選手との試合は完全に皇治が悪い」としたが、「皇治が一生懸命前に出ながら戦っている姿を俺は感動しながら見てたよ。頑張ってるなって。あんなエグい攻撃もらいながら前に出てんな、みたいな感じで俺は見てた。(バッティングとローブローを)アピールしない皇治が凄い悪者になってるなという気はちょっとしていた」と、「皇治だけがバッティングしたみたいにとられているから、声を大にしてここで言っとこうと思って」
「前にインファイトしないと無理なんだよね。俺と佐藤(嘉洋)の試合もガンガン当たっていたから。でも、どっちも折れないから。無視。やっぱデカいから俺もインファイトしないと。別に当てるつもりはないけれどさ、向こうも出てくるからさ。向こうも下げられたら負けちゃうから出てくるのよ。だから、自然と頭当たっちゃうんだよね。前田日明さんも言っていたよね、皇治気にするなって」
現役続行の気持ちもある
皇治「実力で勝負したいなってのは凄く思っていますね。これからどうして行くとかは全然決めてないんですけれど、もしやるならばしっかり証明したいなって気持ちはあります」と、現役続行の気持ちもあることを打ち明ける。
魔裟斗はこれに「これやるね。やらないパターンはそう思わないからね」と笑顔を見せる。
「あと2年の勝負。2年くらいじゃない」と魔裟斗が言うと、皇治は「自分はリベンジしたい選手が多すぎて、負けてきたんで。そういうヤツらに全部リベンジしたいって気持ちは常に持っています」と話した。
皇治「自分の性格上、勝ってないのに決勝に上がるっていうのがまず、そもそも違くて」
怪我の状態を聞かれた皇治は「怪我は眼底骨折で粉砕していまして、口から風船を入れて固定している状態です。眼球が落ちてもう全く動かなくなって二重に見えたので。ほとんど右目は見えてないです。決勝でようけ殴られてもうたんで」
皇治は「自分の性格上、勝ってないのに決勝に上がるっていうのがまず、そもそも違くて。その葛藤が凄くあって。ただ、ファンの皆さんも来てくれてはって一応大阪の大会では自分が決勝に立つ、優勝するためのトーナメントって自分では思っていたので、これは何としても仕事しないと、と思って切り替えようとは頑張っていたんですけれど」
皇治は「もしファンがゼロやったとしたら上がってないですけれど、もちろん白鳥選手にもファンがいて、ここはもう自分が上がらんかったら収拾つかんと思って上がったんですけれど」と、大会を成り立たせるための行動だったと説明
皇治が引退を示唆
バッティングは「自分の実力のなさ」今後は「若い選手たちに盛り上げてもらったらなと思っています」
――試合後の感想は?
「まず、心から梅野選手に申し訳なかったと思っています。申し訳ありませんでした」
――1回戦、決勝と対戦しての相手の印象は戦前と違った?
「一緒というか、このトーナメントに懸けて必死に調整してきたと思いますし、梅野選手はもちろん、梅野選手のファンにも格闘技ファンにもこうしてRIZINのリングに上がれたのはたくさんの方の支えがあったので、凄く申し訳ないことをしたと反省しています」
――バッティングについては反則行為だと思っていますか?
「もちろん。全くワザとではないですが、相手にダメージを負わしたのは認められている攻撃でダメージを与えたわけではないので、それは自分に非があると思いますし、言い訳はないです。強く申し訳ないと思っているし、しっかり受けいれなあかんと思っています」――決勝戦もいかに入り込むかの勝負で、頭から突っ込むスタイルで行きましたが戸惑いは?
「実力のなさですよね。こんなことメディアの前で言いたくないですけれど、実力があればこんなことにはならなかったと思っています」
――引退するんじゃないかとの心配もありますが?
「ぶっちゃけた話、彼らは強いですし、強い選手もたくさんいますし、いっちょまえのことばかり言ってやって来ましたけれど、若い選手たちに盛り上げてもらったらなと思っていますし、この年までできたのはみんなのおかげやと本当に感謝していますし、そういう風に思っています」――それはもうグローブを吊るすということですか?
「それも考えなあかんと思いますし、梅野選手がああなっているので次また頑張るとは考えてないですね」
榊原CEO「まだ続けるべきじゃないのかな」
「非常に難しい形になったのはキックのワンナイトトーナメント。トーナメントならではの難しさが出た形かなと思います。競技をある部分超えたところの参加した4名の選手たちのプロフェッショナリズム、プロとして何を成さなければいけないかとの想いの中で決勝戦が成立したと思っております。いろいろな想いがあったとは思いますが、決勝に駒を進めて戦ってくれた白鳥選手と皇治選手、梅野選手と高橋選手にもお礼を言いたいと思います。
難しい決勝には白鳥選手も皇治選手も気持ちを作る部分がそれぞれあったと思いますが、決勝にふさわしい攻防が見られたことはよかったと思っています。梅野選手に関してはこのあとRIZINとして戦う機会、当然皇治選手とのリマッチということも含めて、梅野選手の回復を待って試合の機会を作れるようにしたいと思っているし、梅野選手にもその旨を伝えさせていただきました」
「過去を遡っても考えたんですが、過去を鑑みると、1回戦で無効試合になった場合は戦える選手が上がっていることはあるんですよ。ただ、こうなった場合はこうと決めていたことで言うと、競技の部分で言えばもうトーナメントが無効です。1回戦が成立していないので。だからそのトーナメントを決勝戦まで持ち上げるのは主催者としての判断で、選手4人の意向を聞いたうえで今日この場で判断してやらせていただいたと。ここまでのことになるのは本当にレアケースであると思いますが、それが起きるわけですから、しっかり想定をしておくべきだったなと思っています」
皇治が引退を示唆したことについては「最終は選手本人が決めることだと思いますけれど、あれだけビッグマウスで盛り上げて、かきまわして。今日も偶発的な頭突きも含めて全部皇治のアクションがあってみんながリアクションをとったという形なので、結果は結果として受け止めた中で、まだ続けるべきじゃないのかなと思いますけれどね。やり残したことがあるでしょうし、もっとすっきりした気持ちで、白鳥選手が言わんとしたように結果を積み上げて、もう1回戦いに挑むべきじゃないかなと思います。完全燃焼したとは見受けられなかったように思います」
「もう1回しっかり競技陣とも映像を確認する必要があると思いますし、僕はリングサイドにいたんですがそのシーンは目視では見られていないんですね。スローの映像で見ました。競技陣の判断は偶発的ということだったので。検証するいい機会だと思うので、しっかり検証した上でRIZINとしてのキックルールの中での見解をまた発表させていただければと思います」
ノーコンテストという結果に終わった1回戦の皇治vs梅野源治(PHOENIX)について、こうなった場合に決勝戦をどうするかとの想定はしていなかったのかとの質問を受けると「過去を遡っても考えたんですが、過去を鑑みると、1回戦で無効試合になった場合は戦える選手が上がっていることはあるんですよ。ただ、こうなった場合はこうと決めていたことで言うと、競技の部分で言えばもうトーナメントが無効です。1回戦が成立していないので。だからそのトーナメントを決勝戦まで持ち上げるのは主催者としての判断で、選手4人の意向を聞いたうえで今日この場で判断してやらせていただいたと。ここまでのことになるのは本当にレアケースであると思いますが、それが起きるわけですから、しっかり想定をしておくべきだったなと思っています」と、特別措置としてその場の判断で決勝戦を行ったが、想定はしておくべきだったと話した。
皇治が引退を示唆したことについては「最終は選手本人が決めることだと思いますけれど、あれだけビッグマウスで盛り上げて、かきまわして。今日も偶発的な頭突きも含めて全部皇治のアクションがあってみんながリアクションをとったという形なので、結果は結果として受け止めた中で、まだ続けるべきじゃないのかなと思いますけれどね。やり残したことがあるでしょうし、もっとすっきりした気持ちで、白鳥選手が言わんとしたように結果を積み上げて、もう1回戦いに挑むべきじゃないかなと思います。完全燃焼したとは見受けられなかったように思います」と、不完全燃焼のままリングを去るのはどうなのか、と現役を続行するべきとの考えを示した。
榊原氏が本紙に明かしたのが総合格闘技(MMA)への転向プランだ。「落ち着いたところでしっかり話したい。キックは引退でも、思いきって総合転向を勧めようと思ってますよ」。32歳という年齢はキックではベテランでもMMAでは中堅。その上、階級は現在トーナメントを開催中のバンタム級で、カードに欠くことはない。
本紙既報通り、皇治は寝技の練習を始めており、まさかまさかのMMAで再起の可能性も出てきそうだ。
白鳥大珠「もらった自分が悪い」
「辞めるのはらしくない」這い上がって来いとエール
白鳥大珠が以下のコメント
――決勝でのバッティングは何回くらい?
「バッティングは何十回もありました。途中途中で何回か止まったが、ぞれ以前にもガンガンもらっていたので。でも、それはもらった自分が悪いなって。結果、中に入らせたってことなので。そこは自分が入れさせなければもらわないので。そこは自分の弱さですね」
――バッティングに対して試合中に怒りは?
「バッティングも金的もあそこまでガッツリもらったのは初めての経験でした。そこでペースを乱されたというか。中にはいろいろな選手がいるじゃないですか。僕としては初めてのタイプだったので、経験にはなったのかって。別に怒りはなかったですよ。ただ1回戦がああいう形になったので、入場前でめちゃくちゃイラついてムカついて“ふざけんなよ”と。ノーコンテストだったので、これで決勝なくなるのかよって怒りはその時はありました。試合中はそういう感情はなかったですね」
――1回戦がノーコンテストになったことによって、もうひとつの1回戦で勝った白鳥選手がそのまま優勝という選択肢もあったのでは?
「いや、そんな話はないですよ。そんなつもりもないです。僕は去年、皇治選手がRIZINに来て、そこで最初に僕がアピールしたので。そこで決着をつけないとこれに出た意味もないと思ったので。そこは盛り上げたいと僕も言っていたので。1回戦に勝っただけのベルトなんて価値はないですね」――戦い終わって、皇治選手の評価や感情的なものは変わった?
「特に変わってないですよ。マイクで『バッティングに気を付けて』と言ったのも、そのまま思ったことだし。仲良しこよしするつもりもない。ただひとつあるとすれば、このまま引退はしないでくださいねってことです」――それはもう1回戦おうということ?
「皇治選手がここからどうやって上がって来るのかなっていうのは個人的に気になります。これで辞めるなんて簡単じゃないですか。もう落ち目だなとか思って。それで辞めるのはらしくないのかなって。もう1回やりたいはないですけれど、僕は1回やって決着をつければOKと思っていたので。皇治選手は口先で成り上がってきたと言われていますけれど、それは間違いじゃない。もう1回、(皇治が)RIZINに来たのでもっといろいろな選手とやってまた上がっていく姿も見てみたくないですか? そんな知名度とかばかり言ってないで。そういう姿もありなのかなと思います」
梅野源治「ゴチャゴチャ言わずに白黒つけよう」
ゴチャゴチャ言わずに一言 漢同志で白黒つけよう
昨日の試合はノーコンテストに 試合後、鼻骨と眼窩底骨折の疑いがあり救急搬送されましたが、眼窩底は折れておらず鼻骨だけ2ヶ所骨折していました 手術を受けるかは後日確定します 皇治選手も同じ気持ちだろうけど、僕もたくさんの方たちに支えられ試合に臨んだ分、とても悔しい
亀田興毅が皇治をボクシングに勧誘
興毅会長は、家族ぐるみで友人関係でもある皇治のボクシングセンスに注目してきた。皇治は元WBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志氏の指導で、ボクシング技術を磨いてきたという。引退を示唆した皇治に即座に電話連絡。「K-1、RIZINと渡ってきて、最後にオリンピック競技でもあるボクシングという大きな舞台へ挑戦してみるのもいいのでは」と激励、皇治も今後の展望のひとつとして話を受け止めたという。
皇治の今後は未定だが、「亀田家入り」が今後の大きな選択肢として浮上した。皇治はビッグマウスに加え、バッティング問題でネット上が炎上。それも興毅会長は「うちは炎上には慣れている。炎上兄弟やな」と平然と構える。
来年5月6日に33歳となるが日本の規則上は34歳までにプロテストを申請すれば受験可能。同じくスター選手の那須川天心(22)も来春のボクシング転向を表明している。RIZINから新たなステージへ。亀田興毅がその可能性に動きだす。