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朝倉未来ともコラボ | 不登校Youtuberゆたぼんが学校の必要性を証明してしまう

不登校YouTuber ゆたぼん「学校の必要性」

不登校YouTuber ゆたぼんが抱える“孤独”、動画が暗示していた「学校の必要性」
「ハイサイまいど! 少年革命家、ゆたぼんです!」
2019年に『琉球新報』で不登校ユーチューバーとして一躍全国にその名を轟(とどろ)かせたゆたぼんが中学生になった。不登校はそのままに。

そんな彼が『ゆたぼんゲームズ』なるサブチャンネルを開設しているのをご存知だろうか。

完全に“普通の子ども”

最初の動画から遡ってみてまず驚いたのは、ゆたぼんがメインチャンネルとは打って変わって、コントローラーを操作をしながらワー! キャー!とはしゃいでいる姿。そのトーンというか、声質が完全に“普通の子ども”なのである。

きっと、少年革命家をやっているときよりも、こちらのほうが素なのだろう。そもそも小学生にして「喋りが紳助」と言われるほうが異質なわけで。しかし、純粋にゲームを楽しむゆたぼんからは、それ以上の切ない雰囲気が漂っていた。

対戦ゲームをひとりでプレイして
彼が最も本数をアップしていたのは『スマブラ』こと『大乱闘スマッシュブラザーズ』の動画。任天堂の看板ゲームのひとつで、マリオやピカチュウといった人気キャラたちがソフトの垣根を越えて登場する“対戦ゲーム”である。今ではオンライン対戦もあるが、まずは友達や家族とプレイするところから始めるのが、“一般的な子ども”が本作を楽しむにあたっての第一歩であろう。

──だが、ゆたぼんは初めからずっとひとりだった。プレイすること自体がはじめてなのかCPU(コンピューター)の敵を前に、

「操作がわからない! あ〜どうやったらいいの〜! やばいよ〜!」

と四苦八苦している。誰か彼に「これが攻撃ボタン、これがジャンプだよ」と教えてあげる友達はいないのか。敵に倒され続けるばかりで一向に成長しないゆたぼんを見ていると、なんだか特別な情がわいてくる。誰かこの子と一緒にプレイしてあげてほしい、一緒にワイワイ楽しんであげてほしい、との謎の親心。

『マリオカート』のプレイ動画でもそう。冒頭の画面から「ひとりで」「みんなで」「インターネットで」と一通りカーソルを合わせながら、結局『ひとりプレイ』を選んで、

「まぁ、俺はひとりです」

とつぶやきカメラ目線。一瞬空いた絶妙な間に生まれる哀愁。自虐で言っているわけではなさそうだが、“ひとりマリオカート”はあまり聞いたことがない。

そんなこんなで『ゆたぼんゲームズ』の動画を続けてみてしまったわけだが、最も悲しいのはこのチャンネルが2020年12月を境にゲームプレイ動画をアップしなくなり、2021年には『裏ゆたぼんチャンネル』と改名してしまったことだ。4月にアップされたのは『カキフライの自動販売機がヤバかった』とタイトルのついたゲームとは全く無関係のコンテンツだった。

直近のゆたぼんはメインチャンネルで、平日の朝からゲーセンでメダルゲームをする動画(7月4日)をアップし、「貸切です! 俺たち以外誰もいない」とドヤ顔をみせていた。誰もいないのはそりゃ、みんな学校に行っているからだろう。娯楽がテレビゲームからメダルゲームへ。これを不良の階段を登る姿と重ねてしまうのは、私の地元でのみ通用するあるあるだろうか。

ゲームチャンネルで「うわー敵が強い! もう一回!」と興奮していたあの子は、もうじき声変わりを迎える。