12月29日 村田諒太 vs ゴロフキン戦が正式決定
ボクシングWBA世界ミドル級スーパー王者村田諒太が12月29日にさいたまスーパーアリーナで、元3団体統一同級王者で現IBF世界同級王者のゲンナジー・ゴロフキンとの王座統一戦に臨むことが12日、正式発表された。
都内で村田が記者会見に臨み、ゴロフキンもリモートで「同席」した。
村田は「彼を倒して僕が最強であることを証明したいです」と宣言。ゴロフキンは「2人の王者が統一王座をかける素晴らしい試合になる。誰もが注目する1日になると思います」と意気込んだ。
村田「一番尊敬するゴロフキン選手」
村田とゴロフキンは14年に一緒にトレーニングした間柄でもあり、村田は「一番尊敬するゴロフキン選手と一緒に練習して紳士的な対応をしていました。彼の実績はすごいものがあります。本当に最強の選手、ミドル級史上でも。戦績は(4階級制覇王者サウル・アルバレス戦の)1敗1分けがありますが、僕の中では勝っていた試合。事実上全勝の負けたことのない選手。その選手に勝って僕が最強を証明したいです」と口にした。
13年にプロ転向し、8年が経過した村田は「プロに来て8年間、追い求めてきた舞台を用意してもらいうれしく思います。繰り返しになりますが、ベストを尽くします。世界タイトルを初めて取った時にここから先にいるのは上にいるのはゴロフキン選手しかいないと思って見てきた。拳を交えるのが本当に楽しみです」と言葉に力を込めた。
日本ボクシング界史上最大のビッグマッチ
日本ボクシング界史上最大のビッグマッチであることは間違いない。村田は「こんな大きい試合を決めてくださったことを感謝して戦います。これは歴史の一部、日本でミドル級の王座統一戦なんて手前みそですが、今後なかなか難しいと思います。これも歴史の一部だと思います。大成功させて、日本ボクシング、スポーツ界に寄与できれば戦う意味ができる」と気持ちを高めた上で「ようやくゴロフキンと対戦するにふさわしい実力になったと思います」と気合十分だった。
AmazonでLIVE中継
王座統一戦は、Amazonプライムビデオで独占ライブ配信される。12日に発表された。村田の国内世界戦として初めて、地上波の生中継がなくなった。
ゲンナジー・ゴロフキンとは
名前の頭文字から「GGG」(トリプルG)の愛称で知られる、世界的な人気を誇るボクサー。
3団体統一王者時代にWBA19度、WBC8度、IBF4度の防衛に成功し、黒星は18年8月、現3団体統一スーパーミドル級王者サウル・アルバレス(メキシコ)に負けた1敗のみで、KO負けは1度もない。
昨年12月、カミル・シェルメタ(ポーランド)を7回終了TKO勝ちするなど強打は健在。
ゴロフキンとのスパーリングを経験した当時、村田は「まるで石で殴られているような衝撃」と語っていた。
マイク・タイソンの20億円興行超え
元統一ヘビー級王者マイク・タイソン(米国)が日本で2度臨んだ世界戦の総費用を超える国内最大規模のビッグマッチになることも判明。
88年、90年と2度、東京ドームで開催されたタイソンの防衛戦が日本開催の世界戦の過去最大イベント。平成初期のバブル絶頂期の中で、総費用は20億円とされた。タイソン戦も手掛けた帝拳ジムの本田明彦会長は「時代も違うけれどタイソン戦の時よりも(総費用は)かかっている」と明かした。
日本の過去のファイトマネーの最高額は1994年12月に行われた辰吉丈一郎対薬師寺保栄のWBC世界バンタム級の統一戦とされている。3億4000万円で入札され両選手にそれぞれ支払われたとされる1億7000万円だ。
ゴロフキン陣営の日本滞在ホテルのレストランつきフロアを借し切り、東京五輪時のような“バブル”を構築せねばならないなど、それだけで3000、4000万円の経費が必要になるという。
景気浮揚感のない令和で、20億円を超える最大級の興行となるのは村田の人気に加え、ゴロフキンの世界的知名度がある。3団体統一王者時代にWBA19度、WBC8度、IBF4度の防衛に成功。19年にはDAZNと1試合平均1500万ドル(約16億5000万円)の契約を結んだほどだ。
村田-ゴロフキン戦は海外ではDAZN、国内では初めてAmazonプライムビデオでライブ配信が決定。両王者の高額なファイトマネーを確保するために地上波中継が見送られた。2人のファイトマネーの合計も、90年のタイソン-ダグラス戦の1000万ドルを超えることが確実視されている。
ゴロフキンは1000万ドル(約11億4000万円)とみられる。村田については本田会長は「問題なく(日本人)最高額」と話していることから数億円と推測される。
武尊 vs 天心戦が実現するのならば、この大会か
12月29日のさいたまスーパーアリーナはRIZINが押さえていることはすでに判明している。K-1側が求める。RIZIN以外での中立なリングとなる。
また、村田諒太の試合はフジテレビが放映権を持っていることを考えると、フジテレビ側にも、武尊 vs 天心戦を村田諒太 vs ゲンナジー・ゴロフキンとともに放映できる可能性が高くメリットも多い。
12月31日も大みそかのRIZIN以外で、武尊 vs 天心戦が実現する可能性があるとしたら、もうこのリングしかないだろう。吉報を待つ。