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ロシアが米欧に警告 「一線越えれば、核兵器で全面戦争」

ロシアが 「核兵器で全面戦争」

ロシアは軍最高司令官のプーチン大統領の指揮下、核弾頭を搭載可能なミサイルの演習に動いた。

北大西洋条約機構(NATO)不拡大を含むロシアの提案をめぐり、米欧との交渉が進む中で出されたメッセージは、ウクライナのNATO加盟というレッドライン(一線)を踏み越えれば全面戦争も辞さないという警告だ。

ロシアが昨年12月に示した提案には欧州でのミサイル配備制限も盛り込まれ、米欧もこれに応じる方向。ロシアはさらなる譲歩を引き出したいところだ。

NATOに比べ通常戦力で劣るロシアにとって、核戦力は安全保障の要。

プーチン「勝者のいない」核戦争になる

大量破壊兵器で攻撃された場合だけでなく、通常兵器で国家の存立が脅かされた場合も核兵器を「先行使用」できるとの基本方針を堅持する。

ロシアは昨年来、10万人以上の軍部隊を国境付近に集結させ、勢力圏と位置付けるウクライナがNATOに傾斜しないよう威圧。ミサイル演習は緊張を極限まで高めるものだ。

ロシアは自国の核兵器使用基準が低いことを示してNATOを萎縮させ、ウクライナへの軍事支援を踏みとどまらせて「将来の加盟国候補」との間にくさびを打ち込む狙いとみられる。

プーチン氏は「勝者のいない」核戦争になると強くけん制した。