フロイド・メイウェザー VS 朝倉未来
プロボクシング元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザーが9月に、RIZINファイターの朝倉未来とエキシビションマッチで対戦。
RIZIN榊原信行CEO(58)が米国で会見を開いて発表
榊原氏が「再びメイウェザーがRIZINで戦うことになりました。相手は日本で一番のMMAスター、朝倉未来です。開催日、ルールなどは今月中には決めて、発表します」と明らかにした。
メイウェザーと朝倉も登場。黒いサングラスをかけた朝倉から話し出した。「僕はMMAファイターなので、今後世界に名前を売るために利用させてもらいます。倒します」などと言い放った。
続いて赤いキャップをかぶったメイウェザーが、「彼は一生懸命やって、倒しにくると言っているが、エキシビションでやって、楽しんで、それでも勝つ」と冷静な口調で、述べた。
日本でのエキシビションマッチは、18年大みそかのRIZINで那須川天心と対戦以来となる。21年2月には「MEGA2021」と題した東京ドーム開催の格闘技イベントにエキシビションマッチで出場予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でイベント自体が延期となっていた。
18年大みそかのRIZINにエキシビションマッチで参戦。21年には米国で人気ユーチューバーのローガン・ポール(米国)と、今年5月にはUAEで元練習パートナーのドン・ムーア(米国)と、エキシビション戦で拳を交えていた。
メイウェザーは21年2月に「MEGA2021」と題した東京ドーム開催の格闘技イベントに参戦し、エキシビションマッチ出場の会見を行っていたが、コロナ禍でイベント自体が延期と発表されていた。
メイウェザーが那須川天心を子ども扱い
ボクシングの元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザーが本気になった。ボクシング・エキシビションマッチで、キックボクシング界の“神童”那須川天心から3度のダウンを奪い、1回2分19秒、TKO勝ちを収めた。
那須川のパンチが左ほおをかすめた瞬間、本気モードに突入。33連勝の那須川を子ども扱いし、格の違いを見せつけた。
試合開始のゴングが鳴ると、メイウェザーは笑いながら戦い始めた。最初の打ち合いで、那須川の左ストレートがほおをかすめると、顔つきが変わった。右ボディーの後、右フックを那須川の側頭部にたたきこみ、1度目のダウン。さらに、右アッパーで2回目。そして左フックでとどめをさした。
日本マット界に、世界トップの大物が上がり、日本人選手と対戦するのは、ムハマド・アリ対アントニオ猪木戦以来の“歴史的事件”だった。エキシビションながら、容赦なく襲いかかり15発で那須川を沈めた。那須川のパンチも当たったが、次元が違った。
メイウェザーが本気になったら、天心が壊される
試合後はまた、へらへら笑いに戻った。予定になかった会見を開き、上機嫌で15分間話し続けた。「那須川は若いライオンだ。成長する余地はたくさんある。この試合は記録には残らない。これからも頑張ってほしい」と惨敗した相手を持ち上げた。
世紀の一戦とも言われた戦いは、公式戦でないにもかかわらず、ルール問題で試合当日までもめた。最後は、RIZIN側の説得を受け入れ、メイウェザーが「ハンディ」として10オンス、那須川が8オンスのグローブを着けることを承諾。今回の来日で、初めてメイウェザーが折れた。それでも会場に遅れてくると、いったん巻いた那須川のバンデージをもう1度巻き直させるなど、ぎりぎりまでやりたい放題だった。
那須川も、試合が決まるとボクシングの本格トレーニングのため渡米。メイウェザーと同じラスベガスの元3階級制覇王者ホルヘ・リナレスのジムで特訓した。それでも子どもの頃から那須川を見ているテッペンジムの那須川弘幸会長は「本当は怖くてたまらないんですよ。メイウェザーが本気になったら、天心が壊されるかもしれないじゃないですか」と、試合前に苦しい胸の内を明かした。その心配が当たった形だ。
メイウェザーは試合の後の会見を終えると、米ラスベガスへ帰るために羽田空港へ直行した。嵐のようにRIZINを席巻したメイウェザーは、そのニックネーム「マネー」の言葉通り、わずか50時間あまりで約10億円のファイトマネーを稼ぎ出した。