ブルース・ウィリス 治療法ない前頭側頭型
『ダイハード(Die Hard)』などの人気アクション映画への出演で知られる米俳優ブルース・ウィリス(Bruce Willis)さんが、治療法のない前頭側頭型認知症と診断された。家族が16日、明らかにした。ウィリスさんは昨年3月、認知能力の低下を理由に俳優業からの引退を表明していた。
家族は「2022年春にブルースが失語症と診断されたのを発表して以降、ブルースの病状は進行し、このたび前頭側頭型認知症と診断された」と説明。この病気の症状は意思疎通の問題にとどまらないとし、「これはつらいことであると同時に、ようやく明確な診断が出たことに安堵(あんど)している」とした。
さらに、前頭側頭型認知症の治療法は今のところ存在しないが、将来的な開発に期待すると述べた。前頭側頭型認知症の原因は不明だが、発症することで人格が変わったり、社会性に欠けた行動や、衝動的な行動、周囲に対して無関心であるかのような行動を取ったりする場合がある。
失語症のブルース・ウィリス ハリウッドでは“公然の秘密”
認知能力に影響を及ぼす失語症を患っていることから、俳優業を引退することが明らかになったブルース・ウィリスだが、その症状は以前から表れていたことがわかった。
IMDbによれば、4年間で22本の映画に出演しているウィリスは、これから公開される作品が8本控えており、まさに引っ張りダコ状態。昨今ではインディペンデント系の低予算映画が多かったが、ウィリスが少しでも出演するだけで、映画館への集客のみならず2次的な収入が見込めることから、需要が高かったようだ。
しかし「LA TIMES」「Page Six」などによれば、制作スタッフや共演者の証言、およびメールのやり取りなどから、ここ数年間の異変は公然の秘密になっていたようだ。2020年には立て続けに、『ハード・キル』(20)、『American Siege』 (21)、『サバイバル・シティ』(21)、『コズミック・シン』(21)などB級アクション映画を撮影していたが、ウィリスの記憶力に問題があるのは明らかで、制作サイドは200万ドル(約2億4000万円)のギャラを支払いながらも、セリフを短くしたり、撮影場所をウィリスの家の近くにしたり、撮影シーンもできるだけスタントマンにやらせて撮影時間を短くしていたという。
撮影は長くても3日間までとするなど制作サイドも努力を重ね、『Vendetta』、『Fortress: Sniper’s Eye』、『White Elephant』の撮影を終えたが、撮影が控えていた『Fortress 3』に出演する前に役者引退を明らかにした。